“瘤久保 慎司” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

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錆喰いビスコ4 業花の帝冠、花束の剣

 

濃密な死の香りに包まれる王の子を寒椿が生かす。煮え滾る鮮血の海から抜け出した子供・シシを救ったのは―、疾風無頼の兄上―赤星ビスコだった。九州が誇る巨大監獄『六道囚獄』。そこには花を操る人造人間・紅菱の一族が収監されていた。人間に逆らえない宿命を背負い、監獄の中で虐げられる紅菱たち。しかし彼らを捕らえているのもまた、桜を操る紅菱で―。キノコの生命力を奪い咲き誇る花々。進化のキノコ『ナナイロ』の胞子により生じた未知なる花力が日本を動かす!

各地で消えたキノコ守りの消息を追い、九州が誇る大監獄『六道囚獄』を訪れたビスコとミロとパゥー。そこで待っていたのはビスコを「兄」と慕う少女・シシとキノコを喰らい、キノコ守りの意思をも喰らわんとする監獄の主・サタハバキだった。それぞれに罪を問われて収監されてしまった彼らの運命は……。

ビスコの「キノコ」という本領が発揮出来ない場所を舞台に繰り広げられるそれぞれの戦いが楽しい。表立って動けなくて水面下で動くのを余儀なくされる姿は普段の彼らを知っていると大変にもだもだするんだけど、いろいろな意味で脱獄までは「頭脳派」ミロの独壇場。そんな抑圧された展開だからこそ、彼らが本来の力を取り戻して全力で戦うクライマックスが最高に爽快なのですが。あと、出番こそちょっとしかないけどパゥーさんが相変わらずイケメン。旦那であるビスコに対する若干のヤンデレ感というか余裕のなさは、なんというかミロの姉だな……という気持ちになりますが……。

そんなビスコ達の脱獄劇の裏で繰り広げられる人造人間「紅菱」の王子・シシの葛藤と成長が熱かった。人造人間から自己の意志を得たばかりの彼(彼女)がひとりの生命体として、そしてやがて「王」になる者としてどういう人生を歩んでいくべきなのか。悩み、葛藤し、そして立ちふさがるなにかを乗り越えようと足掻く姿が印象的でした。

兄と慕うビスコ、最初はどこかギスギスしていたところから少しずつ信を置いていくミロとの関係も大変良いのですが例によってパゥー以外の女がビスコに近づくと面白くないミロさんがシシに対して余裕なくてニヤニヤする。そして「ビスコにふさわしくない」といわれてブチきれるミロさん最高!!!

ビスコ達と別れ、憧れであり肉親であり乗り越えるべき存在でもあった父王ホウセンと違う「王」の道を歩み始めたシシがどこへ向かうのか。新たな物語の始まりを感じさせるエピローグが衝撃的で、続巻への期待が止まらない。

というか次回予告の圧が高すぎるんですよなんなんですか北海道の中には赤ちゃんがいますって!!


錆喰いビスコ3 都市生命体「東京」

 

「ぼくはアポロ。平たく言えば…。きみたちを滅ぼしに来た」四国・キノコ守りの里で襲撃を受けたビスコたち一行。アポロと名乗る襲撃者は機械人形を操り、里のあらゆるものを“都市ビル”へと変えていった。全国各地で同時多発的に起こったこの“都市化現象”は、国民を阿鼻叫喚の渦に叩き落とす一方で、文明崩壊前の豊かな日本の姿をありありと見せつけ―。“都市”に蹂躙される中、現代を救う切り札となれるのは、人類とキノコの奇跡のハイブリッド―赤星ビスコだけ!?過去VS現在変わりゆく中で彼らの選んだ結末は―?(「BOOK」データベースより)

ミロを正式なキノコ守りとして迎えるために四国に里帰りしていたビスコとミロは、突然謎の機械人形から襲撃を受ける。同時多発的に発生したその襲撃は、攻撃された所を「都市ビル」へと変えてしまうものだった。事態を打開するために、何故かその場にいたチロル(?)と共に忌浜県を目指す二人だったが……

攻撃されたところから「都市」が生えるってどんな設定なんですかよ天才か!!?いやキノコが生えるのも十分インパクトありましたけども「都市」って。しかも年寄りのジャビからはちょっと時代がかった建物が生えるとか、地味に設定や描写が細かいのがズルい。錆喰いビスコ、1巻の頃からすでに何度か主張してましたけどあらやめて作画が死ぬほど良い劇場版アニメで見たい。脳内イメージは全盛期のスタジオジブリ(夢を見るだけなら自由だ)。

日本を激変させた元凶、過去から現れた男・アポロ。ビスコ達の生きる世界を押し潰してでも過去の世界を取り戻そうとする圧倒的なな暴力にこれまで登場した全ての味方が集結し、命をかけた戦いが幕を開ける!──というどこまでも「お約束」な展開の連続で、それがまた最高に楽しかった。ビスコとネロを前に進ませるため、次々と現れる強敵を味方が命がけで食い止めてくれる展開とかまさしくバトルマンガ最終回の定番、お約束だらけでめちゃくちゃテンション上がる。次々と味方が倒れていくけど最後でご都合主義の塊とばかりに雑に全員生き返るのがまたいいんだよな〜!!いや〜良い最終回だった!!!(※最終回ではない)

今回は特に「現代日本」から地続きの近未来の存在としてのビスコ達の住む「日本」という存在をどこかリアルに感じて、そこも楽しかったです。『真言』が現代のプログラミング言語に近いのは前巻の時点でなんとなく示されてきていたけど、改めてそれが一種の「魔法」のような形で未来の世界に受け継がれていくのが面白いなあと。衛星が残っててわずかに生き残ってるテレビ放送とか、一種のオーパーツ的な残り方してるコミックとか、ビスコ達の名前の意味とか、細かいところで確かに現代日本の息吹を感じるのが大変に良い。

ネロとビスコ、そしてアポロとドミノという似ていないようでそっくりな、対称的な二組の存在が織り上げる、最後まで熱い「愛」と「絆」の物語だったのですが、そんなことよりパウーさんが可愛くない!!!!!?????なんだこの最高に可愛くて強い嫁は。負ける気がしなさすぎる東京への「進軍」シーンには思わずニヤニヤしてしまったし、エピローグですっかりラブラブイチャイチャしてる姿にまたにやけてしまった。パウーさん可愛すぎる。

しかし、パウーさん死ぬほど可愛いのにどうかんがえても「でもビスコの正妻はネロなんだよな……」って考えてしまうのやめたいんですけどどうなんですかこれ。そういうこというの別に腐ってるせいだけではないとおもうんだ。あまりにもネロの正妻ムーブがすぎる。……すぎるよね?

「ミロ、こいつを壊すとどうなる?」
「日本で、衛星放送見れなくなる」
「衛星放送?」
「6チャンネル。いつも同じアニメやってるとこ」
「あの、ネコとネズミのやつか?……なるほど、ちょっと罪深い気がしてきたな」


錆喰いビスコ2 血迫!超仙力ケルシンハ

 

“錆喰い”由来の特殊体質を治すべく、大宗教国家・島根を訪れたビスコたち。しかし―そんな一行の前に野望の不死僧正・ケルシンハが立ちはだかる。不意打ちで胃を盗まれたビスコの余命は、僅か―五日!?暴走した“錆喰い”体質で心臓にキノコが咲けば即アウト!相棒・ミロとともに様々な宗教ひしめく島根の中枢“出雲六塔”に潜入した彼らは、はたして無事、元の身体を取り戻せるのか。そしてかつて立った頂点奪還を目論むケルシンハの暴虐に、相棒の絆は打ち勝てるのか―!?熱い絆で射貫く怒濤の冒険譚、再び! (「BOOK」データベースより)

不老不死になってしまった身体を治すため、再びミロとともに旅に出たビスコ。まずは出雲に居るという噂の『不死僧正』を訪ねることにするが、旅の途中で助けた異様な風体の老人から不意打ちされて……。

相変わらず、劇場版の長編アニメーションで見たいような面白さ。『錆喰い』が持つ異常な再生能力が災いして逆にその再生能力に喰い殺されそうになるビスコ、敵の侵食によって強みである冷静な思考能力を奪われるミロ。1巻ラストの時点でかなり無敵感のある2人をどうやって動かしていくのかと思っていたら、絶妙に2人の弱点をついてくる形で危機に陥らせていくのがめちゃくちゃ上手い。本来の強みを活かせない彼らがギリギリの状態で前回以上の強敵に立ち向かっていかなければいけない展開と、そこを仲間たちの力も借りつつ最後は2人の絆の力で打破していく展開が熱かった。

そして敵である不死僧正ケルシンハがとにかく老獪かつ厄介かつ強欲なジジイでとてもいいキャラしている。読んでるだけで強さがビシビシ伝わってくるし、やってることは最高に胸糞だし……その割に、最期の爽やかな読後感と来たら!!どこまでも諦めが悪いのがこのジジイらしく、そこを完膚なきまでに叩きのめす姿が爽快でした。

世界の謎も少しだけ明かされ、不老不死の体の件は一周回っていっそ解決でいいんじゃない!?みたいなとこあるけど大変続きが気になる終わり方で楽しかった。3巻も楽しみ。

それにしても、今回は抜き身の刃のようなミロの一面が見れて大変に美味しかったんですけど、それはそれとして完全にミロがビスコの正妻ムーブしてて面白いし、何かと自分の姉と結婚させようとしてくるのジワジワと面白い。パウーさんは超いい女だし最高にえっちなお姉さんであるけど正直ビスコとフラグが立っているようにはあまり見えず、正直「ミロがビスコと血縁になりたくてゴリ押ししてるのでは!?」感すらあるし、パウーさんの立ち位置もどっちかっていうと面倒くさいお義父さんって感じなので正直ビスコと結婚するビジョンが見えない。

もういっそパウーさんに条例作ってもらってミロとビスコが結婚しよう(そうじゃない)。


錆喰いビスコ

 

すべてを錆つかせ、人類を死の脅威に陥れる“錆び風”の中を駆け抜ける、疾風無頼の「キノコ守り」赤星ビスコ。彼は、師匠を救うための霊薬キノコ“錆喰い”を求め旅をしていた。美貌の少年医師・ミロを相棒に、波乱の冒険へ飛び出すビスコ。行く手に広がる埼玉鉄砂漠、文明を滅ぼした防衛兵器の遺構にできた街、大蛸の巣くう地下鉄の廃線─。過酷な道中で次々に迫る脅威を、ミロの知恵の閃きと、ビスコ必中のキノコ矢が貫く!しかし、その先には邪悪県知事の奸計が?。第24回電撃小説大賞“銀賞”に輝いた、疾風怒涛の冒険譚! (「BOOK」データベースより)

謎の災害によって文明が滅び、錆びに犯された日本を生きる、お尋ね者の「キノコ守り」の少年・ビスコと、心優しき医師の少年・ミロ。接点のなかった2人の少年(と一匹の蟹)が死の病に犯されたそれぞれの家族を救うため、幻のキノコ「錆喰い」を求めて冒険の旅に出る。

旅の中で様々な出会いがあり、そこでの出会いを通して2人が人間的にも戦士としても成長していく姿がめちゃくちゃ楽しい。並行して、最初は利害関係の一致から旅を始めたくらいの関係だったミロとビスコが、徐々にお互いに背中を預けあえるかけがえのない相棒になっていく姿が印象的でした。

もう序盤からびっくりするくらいミロくんがヒロインをしているんですけど、同時に女の子のような見た目でありながら誰よりも強靭な精神を持っているのも彼なんですよね。どんな状況でもその想いを見失わず自分を貫こうとする姿があまりにも強く、だからこそ、終盤でその意志が敵の手によって無理矢理に砕かれようとする展開に惹き込まれてしまった。

そういう意味ではむしろヒロインはビスコなのかもしれない……?ワイルドを気取っているけど情に厚くて誰かのピンチを見過ごせず、仲間を傷つけようとする相手にはすぐ激昂してしまう姿はまさしく少年漫画の主人公なんですけども、終盤は完全に姫姉様(ナウシカ)みあった……。などと考えていたらツイッターで「アクタガワ(蟹)がヒロインでは!?」とツッコミが来たのでもう3人で結婚したらいいんじゃないかな(提案)

終盤、キャラクターたちがびっくりするくらいに「愛してる」を連呼する。その「愛」という言葉について、あとがきでは「憎悪や執着も含めて誰かを強く想うこと」と説明されいて、そう言われてしまったら確かに最初から最後まで愛しかない物語だったなあと。主人公サイドも敵サイドも含めて、誰もが誰かへの譲れない「強い想い」を持っていて、それを暑苦しいくらいにぶつけ合うクライマックスにただただ圧倒されました。

物語の「続き」を想起させつつも一冊の中にこれでもかとばかりにぎゅうぎゅう詰め込んで、なおかつ一旦綺麗に終わらせてくる感じが良い意味で新人賞受賞作という感じで、劇場で見る長編オリジナルアニメーションのような濃厚な一冊でした。面白かった……!!

それにしても、こんなに男臭くて大丈夫か?っていうくらい熱い男たちの物語だったんですけど、ビスコを認めてからのパウーさん(ミロの姉)がえっちすぎるのでワイルド系でえっちなお姉さんが大好きな人は早く読むんだ。


このラノベの男男間の巨大/複雑感情が好きだ2022決定盤

タイトル通りの記事です。

このラノベの男同士のクソデカ感情いいよね!!というタイトルを独断と偏見で25タイトル紹介します。長年まとめ記事作るよ作るよって言い続けて気がついたら10年経ってたよ……関連記事の方に昔の同系統のまとめをリンクしておりますので良かったら併せてどうぞ。一応関係性で「親友・相棒」「ライバル・共闘」「因縁・敵対」の3つに分けてます。

関係性のみに焦点を絞っているので内容があまり女子読者向けじゃないものや未完のまま数年止まっているものも含まれます。予めご注意ください。

親友・相棒

楽山 「俺の召喚獣、死んでる」→感想
「友人を馬鹿にされて、僕が笑って許すようにみえるのか?」
苦学生でありとある事情から自分の召喚獣の正体を隠して戦わざるをえない主人公フェイルとそのチームメイトであり名家の子息でもあり一番の理解者でもあるシリル。フェイルが巻き起こす常識外の行動にダメ出しやお説教をしたりする反面その実力を誰よりも信頼していて、他人がフェイルを理不尽な理由でバカにするのは許せないシリルの姿にニヤニヤしてしまいました。
有象 利路「サキュバスとニート」→感想
「和友とオレの間に割り込むのは姐さんといえどもマジでキレますよ」
引きこもりの主人公・和友と彼の高校時代の親友でありコンビニ店長の琥太朗。高校時代の女房役(野球的な意味で)でもあった彼がとある事件によって夢を失って絶望した和友のことを影に日向に心配しつつ、本人の居ない所で彼に対して強い執着を見せる姿が大変良かったです。
大樹 連司「ボンクラーズ、ドントクライ」→感想
そんな彼を裏切る算段を僕は立てている。たかが、桐香なんて存在のために。
男二人だけの映画研究会にやってきた新入部員。友達同士の気軽なだけの部活動はその日から姿を変えていく。新入部員・桐香に恋心を抱いてしまった主人公の肇が彼女に振り向いてもらえないことに絶望し、その一方で親友・藤岡との楽しいだけだった関係性を「恋心」なんてものによって壊されてしまうことを恐れる、という葛藤が印象的でした。
壱月龍一「ラ・のべつまくなし」→感想
「……あいつが書いて、オレが編集やって……なんて。まあ、俺らの夢っつーかなんつーか、はは、超青臭いっすけど」
純文学からライトノベル作家に転向した主人公の矢文学と、彼の学生時代からの親友で編集者志望の北見圭介。ふたりの夢は、コンビを組んで最高の作品を送り出すこと。腐女子のヒロインがうっかり誤解しちゃうくらい仲の良い男二人の、熱い友情が美味しかったです!(あとブンガクくんの作風絶対わたしの好みだから現実に降臨してほしい〜〜)
井上 堅二「Lady!? Steady,GO!!」→感想
「お前にできないことは俺がやる。俺に出来ないことはお前がやる」「そうしたら、俺たちにできないことは何もないだろう?」
名家の分家に生まれて下男のような扱いを受ける圭と、本家の長男でありながら「出来損ない」と見捨てられた燐之介。完璧な人間でありながら大きな欠落を抱える燐之介と平凡だがその欠落を補って支えることが出来る圭という2人の関係性がとても良かったです。最大の問題は2巻が出なかったことだけど2人の関係性としては1巻で綺麗にまとまってるので……。
瘤久保 慎司「錆喰いビスコ」→感想
「俺が矢で、お前が弓だ。俺たちは弓矢だ!そういう、二人だった!」
お尋ね者の賞金首・赤星ビスコと心優しき町医者・猫柳ミロ。一見正反対のふたりが同じ目的のためにコンビを組んで旅を始め、やがてかけがえのない相棒となっていく。相棒ならではのお互いに気を使わない関係と、深い「愛」によって結ばれた関係性が良かった。アニメは原作1巻分だけなので、2巻以降も読んでほしい。
羊 太郎「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」→感想
「……行こうか。頼りにしてるぜ、相棒」「抜かせ、誰が相棒だ。寝言は寝て言え」
かつて特務分室で汚れ仕事や裏仕事を行っていたグレンと、特務分室時代の相棒であったアルベルト。現在は別々の組織に身を置く彼らですが、それでも手を組めば最強という構図が最高。グレンの甘い理想とは相容れないと思う反面、かつての自分が切り捨てた理想を背負い続けるグレンに期待せずにいられない姿がよかったです。
鏡 貴也「伝説の勇者の伝説」→感想
「……引き戻すぞ。おまえがどこにいても、引き戻す」
『複写眼』という異能を持ち子供の頃から過酷な環境で生きてきたライナと、後ろ盾のない母から生まれて兄王達に命を狙われ続けてきたシオン。生まれも育ちも違うふたりは、やがて「悪魔」と「勇者」という世界の行く末を握る運命に翻弄されていく。仲の良い親友であるふたりが運命に引き裂かれながらも手を伸ばさずにはいられない姿が印象的でした。本編のシリアスな彼らも、短編でのコミカルな掛け合いも良。
井上 堅二「バカとテストと召喚獣」→感想
「確かに点数は低いが、秀吉やムッツリーニのように、お前にも秀でている部分がある。だから俺はお前を信頼している」
学園でも有名なバカの主人公・明久と、問題児ばかりのFクラスをあの手この手でまとめ上げる雄二。考え方も得意分野も正反対で普段は喧嘩してばかりの悪友ふたりが共通の目的のためとなれば最高のコンビネーションを発揮するのがたまりません。相手が落ち込んでいれば何も言わずに背中をぶん殴るような言葉で言わなくても通じ合う関係性が最高。

ライバル・共闘

紫 大悟「魔王2099」→感想
「君は……まだ僕を勇者と呼んでくれるんだな……」
魔術と科学が融合した近未来都市新宿で500年ぶりに目覚めた不老不死の魔王ベルトールと、望まぬ形で人としての枠を超えた不老の勇者グラム。すでに時代から忘れら去られたグラムの「勇者」としての役割を、宿敵であったはずの「魔王」ベルトールこそが求めるという関係性が良かった。あくまで不倶戴天の敵同士である彼らの一時共闘が美味しい!
九岡 望「地獄に祈れ。天に堕ちろ。」→感想
「……共同戦線だ。あーあ」「手ぇ組むぞ、畜生が!」
生き残った妹のために死者を狩る聖職者嫌いの死者ミソギと、死んだ姉に心を囚われたまま死んだように死者を狩る死者嫌いの聖職者アッシュ。絶対に相容れないふたりが亡者の街・東凶を舞台に共同戦線を張るというお話。何もかも相容れないふたりが自分の想いを貫くためにある時はぶつかり合い、ある時は共闘する展開が良かった!
望公太「最強喰いのダークヒーロー」→感想
ルイ=ミシェル・ヴィレット。(中略)いかなる者にも最悪の蔑称を授ける阿木双士郎をして、『王子』と呼ぶ他なかった男である。
ソードウォウ最弱の選手でありながら、強敵も味方も手のひらの上で転がす奇策な作戦で勝ち続ける双士郎と、そんな双士郎に救われて以来、その奇策を全部良い方に解釈して持ち上げていくルイ(強くて善人)という関係性がコミカルで良かった。双士郎が、ルイだけ微妙に転がしきれてない感じが楽しいんですよねえこれ…。
渡航(Speakeasy)「クオリディア・コード」→感想
昔も今もこの先も、きっと違う方向を向いて、違う道を選ぶのだろう。それでも、今は確かに、並び立っていた。
異形によって脅かされている世界を守るため、そして大切な少女達を守るために戦うふたり。性格も考えも正反対で本来ならば手を取り合うこともなかったであろう壱弥と霞が、自分にない部分に憧れ、誰よりも強く信頼し合っているという関係性が良かった。ノベライズ版はアニメと内容ほぼ同じなのですが、特に3巻の壱弥・霞の心象描写がとても濃厚で良いので副読本としても是非!(過去話も良いです)
師走 トオル「ファイフステル・サーガ」→感想
今でこそカレルは王家の味方だが、数十年後に余計な野心を抱かないという保証はどこにもないのだ。
来るべき魔王の襲来に立ち向かおうとする英雄達が時に手を組み、時には対立しながら人間たちをまとめようとしていく物語。アレンヘムの傭兵団の若き団長・カレルとフーデルス王国の摂政・ヴェッセルの関係が良かった!序盤から手を組んでいる彼らなのですが、それぞれお互いの国の思惑の下で動いていて、完全な味方ではないんですよね。稀に覗かせる剣呑な雰囲気がとても良かったです。
柳実 冬貴「Re:バカは世界を救えるか?」→感想
その闇の中で、心路は──(略)現実世界で唯一負の感情を抱くことのできる、好敵手の声をはっきりと聞いた。
他者の異能の「劣化コピー」を作る異能を持つ主人公・佐藤光一と、他人の異能を完全にコピーできる秋雨心路。最初は相容れない敵同士だった彼らが、少しずつ「好敵手」へと変化していく課程がたまらない。能力の代償として感情が薄れていく心路の心を唯一揺さぶることが出来るのが光一というのがまた。
賀東 招二「甘城ブリリアントパーク」→感想
(『汚いことをしなければならない』か。ならば、それをするのはぼくだよ)
ポンコツ遊園地の支配人代行となった主人公・可児江西也と遊園地のキャスト代表を務めるマスコット・モッフル。犬猿の仲だが遊園地の未来を誰よりも真剣に考えている彼らの目的が一致するがゆえの共闘が大変美味しいのですが、特に原作1巻終盤に起こったとある事件をきっかけにしたある種の「共犯関係」が、とても良かった。アニメ版とは全く違う展開ですが、どちらも良いので両方見てほしい。
渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」→感想
俺はもうとっくに気づいている。葉山隼人が、けしてただの善人ではないことを。
渡航が描く「お互いに相容れないからこそ誰よりも深く理解し合う」男男間複雑感情が大好きなので、例によって葉山隼人と比企谷八幡の関係性も大好きです。普段は優等生の仮面を被っている葉山隼人がそんな表の顔が通用しない比企谷八幡にだけは時折素顔で接しているのがたまらない。
田尾 典丈「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!」→感想
「これから何があっても、みんなを愛し続けてほしい。それが、俺の望みだ。任せたぜ、初めての、親友」
とあるギャルゲーのヒロインたちが現実世界に投影され、彼女達が抱える問題をゲームの1ファンである都築武紀が解決する物語。クリア後のハーレム展開を謳歌していた武紀が明確に「全員を幸せにする現実のハーレムエンド」を目指して行動し始めるのが4巻のゲーム主人公・正樹との対決でした。同じヒロインを愛する主人公同士として・親友として次元を超えた友情を築いていく展開が熱い。

因縁・敵対

落葉 沙夢「─異能─」→感想
あいつは俺を赤根凛空ではなく、友人のアカとして扱ってくれていた。その存在は俺にとって小さくなかった。
複数の人物の視点から事件が描かれる群像劇形式のサバイバル異能バトル。過酷な展開の中でうっすら語られる「主人公」の祐樹とその友人・赤根凛空の関係性が印象的でした。物語で起こった惨劇を考えるとお互いにさっぱりしすぎと感じる部分もあるんですが、描写が短くてもお互いにリスペクトしあっていたことが伝わるふたりの独白が良かったなあ。
水瀬葉月「ぼくと魔女式アポカリプス」
「宵本澪っていうクソッタレな友達は──どうやら、俺が思ってたよりも少しだけお人好しらしい。」
絶滅寸前の魔術種達が生き残りを掛けて行う生存競争に巻き込まれた「死者」達が繰り広げる異能系サバイバルバトル。『普通』に埋没したくなくて学園生活からはみ出していた主人公・澪と可愛いショタの皮をかぶった女に見境ないクズ・草太の友人関係が独特で面白かった。二人の出会い話がどっかに合ったと思うんだけど収録されてないんだよな……。
衣笠 彰梧「ようこそ実力至上主義の教室へ」→感想
ああ、それだ龍園。おまえにも見えたんだろう?恐怖という感情は、己の中に確かに存在する、ということを。
Dクラスの黒幕として暗躍する綾小路と黒幕の存在を追うCクラスのリーダー・龍園。1年生2学期をたっぷり使って水面下で行われる長いかくれんぼ、その末に待つ直接対決がとても良かった。この直接対決の後の微妙に共闘的な関係になっていく綾小路と龍園の関係性も美味しいけど、やっぱりとりあえずは原作4〜7巻をよろしくお願いします!!ってなりますね!
賀東 招二「フルメタル・パニック!」
「カシム、カシムと……。馴れ馴れしいんだ、クソ野郎」
主人公である相良宗介に強く執着する、序盤にして最悪の強敵ガウルン。自分が恋い焦がれてやまない「殺人聖者・カシム」に宗介を引き戻すために自身の命すらも厭わない様はめちゃくちゃなインパクトがありました。フルメタ、なんだかんだで彼以上にヤバい敵出てこなかった気がするの凄いよね……。
ツカサ「銃皇無尽のファフニール」→感想
切れ長の目が画面の向こうから俺を射る。それだけで感覚が引き戻される。彼の部下だった長く暗い日々へと。
男性で唯一ドラゴンの力を持った“D”の少年・物部悠。同じ異能を持つ少女達が集まる学園・ミッドガルに入学するが……ミッドガル入学する前、軍事組織ニブルでの元上司であるロキ少佐がミッドガルに入学した後も悠に対して強い執着を覗かせていく展開が大変美味しかったです。いやこれ、俗に言う「元彼」概念なんですよね……美味い……。
羊 太郎「ロクでなし魔術講師と追想日誌」→感想
「今は、曲がりなりにも母屋を同じくする同志だけど……いつか、必ず僕らは決別する。……互いの信じる正義ゆえに」
相棒概念の所でも取り上げたロクアカですが、どうしてもジャティスの話したかったなどと供述しており……アルベルトと同じく元特務分室での同僚であったジャティスが特務分室を離れて犯罪者となり、事ある毎にグレンと衝突していく本編での展開も大変美味しいのですが、そんなジャティスがグレンを初めて宿敵として認めた追想日誌5巻がとてもよかったです。あとほんと本編は次巻が楽しみ…!!
月夜涙「回復術士のやり直し 〜即死魔法とスキルコピーの超越ヒール〜」
変だな。一周目では、あいつに怯えて、逃げたい、怖いとばかり思っていたのに、二周目の今はあいつに会いたくて仕方ない。
人生をやり直しながら1周目の人生で自分を虐待した勇者達に復讐を行ってきた【癒】の勇者ケヤル。その復讐も残るは【砲】の勇者で少年性愛者ブレットを残すのみとなるが、その復讐は国を巻き込み人類の存亡を掛けた戦争へと発展していく。メインは凌辱メインのエッチな復讐劇なのですが、その合間でケヤルとブレッドが見せる互いへの執着と、裏の裏までを読み合う心理戦が大変良かったです。ブレットの行方を追う回が「想い人を探す」なのとか最高。


2019年読んで面白かったラノベ10選

あけましておめでとうございます。
今年もこのブログをよろしくお願いいたします。

10年代ベストを作った際に「やはり1年分のまとめは下半期まとめとは別にほしいな…」とおもったので2019年読んで面白かったラノベのまとめです。ぶっちゃけこの後に投稿するであろう「好きラノ2019下期」とネタがかぶる予感がするのですが(投票は12日までですよ!)、自分がこれから期日までに何冊か読んで顔ぶれ変えてくれることを信じて!!

なお、10件ぴったりだったのでこの記事の内容をほぼそのまま「マニアック・ライトノベル・オブ・ザ・イヤー」にも投票してきました。投票は明日までなので10タイトル思いついた人が居たら投票してくると良いと思います。

2010年代ベストも頑張って書いたのでよんでね!

瘤久保 慎司「錆喰いビスコ3 都市生命体「東京」」→感想
この話を劇場アニメでみたい2019
『都市が生える』という発想がもう強さしか無いし、こんなに動いてるところを大画面で見たくなるラノベもなかった。ジブリかTRIGGERでお願いしますってしつこく言う。ストーリー的にも第一部クライマックスで最高に盛り上がっていて楽しかった!
黒留 ハガネ「世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ)1」→感想
この「日常」が強いライトノベル2019
欲しかったのは『異能』というよりも『非日常』なのだという主人公の言葉になるほど納得してしまう。そこから、自らの力を使って全力で非日常を『演出』してしまうという、自己満足に満ち溢れた若干傍迷惑なドタバタっぷりが最高に楽しい。そして超能力も異世界も包み込んでしまう「日常」さんが強い。
小路 燦「異世界転生アンチテーゼ 転生魔王はチート転生者をチートで殺します」→感想
この「悪趣味」さが好きなライトノベル2019
異世界転生して魔王になった男が同じ異世界転生者を次々と狩っていく物語。彼らによって生み出されるはずだった物語をバッドエンドの余地も与えず駆逐していく姿が最高に悪趣味で楽しかったです。
有象 利路「賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 〜愛弟子サヨナのわくわく冒険ランド〜」→感想
2019年一番読んで笑ったラノベ
シモネタと内輪ネタとメタフィクションでひたすら爆走するギャグ小説。とにかく勢いの勝利感があるけどこんなに笑ったラノベも今年他になかったので推したい。登場だけで8行使うマスコットキャラくんが好きです(曇りなきまなこ)
恵ノ島 すず「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん」→感想
2019年一番キュン死したラノベ
ツンデレヒロインのツンデレを全部事細かに解説されてみんなで「ギャーかわいい!!」ってなるお話。現実とゲームの世界、両面で繰り広げられる恋愛模様と、現実・ゲームの世界の間で築かれていく絆がひたすら可愛かった。2巻できれいにまとまってるのもポイント高い。
衣笠 彰梧「ようこそ実力至上主義の教室へ7」→感想
2019年一番沼だったラノベ
難しいことは何も言わずに7巻の綾小路・龍園の殴り合いの挿し絵を見せてきた友人のやり口が巧妙すぎて震えた(5分後に電書で全部買った)。物語そのものもさることながら、絶妙に良い仕事をする挿絵が本当に良い…1年生編クライマックスである11巻・11.5巻も良かったのですが沼の元凶である7巻を推します。
羊太郎「ロクでなし魔術講師と禁忌教典14」→感想
今一番おもしろいと思ってる長編ラノベ
ほんと毎回「最高に面白かったとおもった前巻を更に超える面白さ」とかボジョレー状態になってるんですけど、14巻の絶望的な閉塞感とそこからシスティーナが介入するクライマックスへの盛り上がりが凄かった…。
師走 トオル「ファイフステル・サーガ4 再臨の魔王と女神の巫女」→感想
今一番続きを心配しているラノベ
主人公3人に加えて脇役達の人間関係も深く掘り下げられてきて、油が乗ってきた感が凄いのでなんとしても5巻が出てほしい…。あと4巻表紙のコルネリウス隊長がめちゃくちゃ好きすぎてこの気持をどうしたらいいかわからなくて持て余している。
永瀬 さらさ「悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました6」→感想
このライバルキャラがかっこいい2019
いやほんとにこのシリーズはリリア様のかっこよさが半端ないので推したい!!ゲームプレイヤーを自称する彼女が、「推しヒロイン」である主人公のアイリーンとNPC達を守るために自らも「ヒロイン」になる姿が最高にアツかったです。
渡 航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。14」→感想
完結してよかった2019年大賞
俺ガイルとは思えないようなストレートに甘々な展開にもニヤニヤしちゃうし、物語が終わっても彼らの青春は終わらないと思わせるラストも最高でした。長い長い迷走からようやく抜け出して、「終わり」へと向かっていった物語に感慨深さしかない。ところで短編集のうちの1編とかでいいので3年八幡のクラスでの日常がみたいです。


「好きラノ 2019年上期」投票します。

企画元:ラノベ人気投票『好きラノ』 - 2019年上期

今回も参加させていただきます。割と今季は新作頑張って読んでたので多めに投票してみました。コメントは控えめなので気になったら感想記事の方に飛んでいただければ幸いです(ネタバレと興奮したオタク特有の読みづらい長文には注意してほしい)

Twitterからの投票も受け付けられてますのでお気に入りの作品があるかたは是非ご参加ください。

amazon.co.jp:幼なじみが絶対に負けないラブコメ
二丸 修一「幼なじみが絶対に負けないラブコメ」
【19上期ラノベ投票/9784049125245】
初恋をこじらせた主人公とヒロイン2人が繰り広げる空回り上等、全員が自分の仕掛けた地雷を自分も踏み合うような三角関係が最高に楽しい。主人公をはじめ、魅力的な男子キャラが多いのも魅力の一つです。
amazon.co.jp:賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 〜愛弟子サヨナのわくわく冒険ランド〜
有象利路「賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 〜愛弟子サヨナのわくわく冒険ランド〜」
【19上期ラノベ投票/9784049124569】
シモネタとメタフィクションと内輪ネタでひたすら爆走するギャグ小説。とにかく好き嫌い分かれそうな作風だけど騙されたと思ってマスコットキャラだけでも見ていってほしい。マスコットキャラがツボに入りすぎて久しぶりに「笑いすぎて腹筋が辛い」という状態になったので謹んで推させていただきます。
amazon.co.jp:世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ)
黒留 ハガネ「世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ)」
【19上期ラノベ投票/9784865544497】
異能はあるのに非日常はなかった!!もう自分で非日常を作るしか無い!!という圧倒的自作自演系異能バトル小説。「どうせそんなこといって途中から本物の非日常と戦うんでしょ?」と思ったら本当に最後まで自作自演以外の非日常が訪れなかったのでめちゃくちゃ推していきます。
amazon.co.jp:リベリオ・マキナ
ミサキナギ「リベリオ・マキナ -《白檀式》水無月の再起動-」
【19上期ラノベ投票/9784049123289】
絡繰り仕掛けの少年と二人の少女が繰り広げるボーイミーツガールファンタジー。感情を得た機械が不器用ながらも自分の守りたいものを見つけていくという王道ど真ん中の展開が最高に楽しい。アンドロイドもの好きとしてもめちゃくちゃ推したい。
amazon.co.jp:天下一蹴 今川氏真無用剣
蝸牛 くも「天下一蹴 今川氏真無用剣」
【19上期ラノベ投票/9784797398137】
戦国武将の争いから早々にドロップアウトした「無用者」の夫婦が蹴鞠したりイチャイチャしたり敵の刺客と斬った張ったをしながら京都を目指す剣客ラノベ。今川夫婦のイチャイチャも大変可愛いんだけど、二人からどこか漂う暗い影や、過去との対峙というべき終盤の展開などもすごく良い。あとコミカライズがめっちゃいいのでみんな読んで。
amazon.co.jp:ようこそ実力至上主義の教室へ11
衣笠 彰梧「ようこそ実力至上主義の教室へ11」
【19上期ラノベ投票/9784040657394】
今更1巻から全部一気読みしたんですけど本当に面白かった…!一学年編のクライマックスに相応しい手加減抜きの頂上対決と、決して気持ちの良い終わり方ではないけれど今後への展開を期待させるようなラストが好き。二年生編も楽しみです。
amazon.co.jp:ロクでなし魔術講師と禁忌教典14
羊太郎「ロクでなし魔術講師と禁忌教典14」
【19上期ラノベ投票/9784040727240】
システィーナがまじヒーローすぎてヤバイ。これまでにない絶望的な展開からシスティーナの行動をきっかけに一気にひっくり返していく展開が超楽しかった。本当にこのシリーズは右肩上がりで面白くなっていくので気になる人は今からでも追いついてきて…!!
amazon.co.jp:錆喰いビスコ3 都市生命体「東京」
瘤久保 慎司「錆喰いビスコ3 都市生命体「東京」」
【19上期ラノベ投票/9784049121629】
もうサブタイからして強すぎるし、人間から「都市が生える」という発想が強すぎてその時点で勝ってる。何度も言ってるんですけどめちゃくちゃな良作画ですごい監督の作った劇場版アニメでみたいよなこの話…。物語としても、第一部クライマックスの名に相応しい盛り上がりが最高に楽しかったです。
amazon.co.jp:悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました4
永瀬 さらさ「悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました4」
【19上期ラノベ投票/9784041072592】
宿命のライバル(ヒロインと悪役令嬢)がこれきりの共闘する展開なんて無条件で好きに決まってるじゃないですかー!!これまでキャラが若干薄かった脇役やヒロイン達もどんどん掘り下げが行われてきて、めちゃくちゃ楽しくなってきた。今後に続く伏線もしっかり張られていて、続きが楽しみなシリーズです。


「好きラノ 2018年下期」投票します。

企画元:ラノベ人気投票『好きラノ』 - 2018年下期

 安定の滑り込みですいません……Twitterからの投票も受け付けられてますのでお気に入りの作品があるかたは是非ご参加ください。一部「2018年のまとめ」と被ってる部分がありますのでそのへんは適度に短めにしていきます。

amazon.co.jp:彼女のL 〜嘘つきたちの攻防戦〜
少年と2人の少女が織りなす「優しい嘘」の物語。
三田 千恵「彼女のL 〜嘘つきたちの攻防戦〜」
【18下期ラノベ投票/9784047352308】
「嘘」を見抜くことが出来る少年が、一人の少女の死の真相を追いかける青春ミステリー。事件を追ううちに少しずつあらわになる「優しい嘘」の全貌と、それと並行で繰り広げられる主人公の家族にまつわる物語にすこし切ないけれど温かい気持ちにさせられる。あと個人的に「嘘つき」な少女・佐倉と主人公の距離感と会話のテンポがめちゃくちゃ好き。とにかく佐倉が可愛いので表紙にソワっとなったら読んでみてほしい。
amazon.co.jp:ラストラウンド・アーサーズ クズアーサーと外道マーリン
平和な「日常」と異能な「非日常」の対比が楽しい。
羊太郎「ラストラウンド・アーサーズ クズアーサーと外道マーリン」
【18下期ラノベ投票/9784040728292】
昼は平和な(?)学園生活。夜はアーサー王の末裔達が『円卓の騎士』と共に駆け抜ける非日常の戦いへ──。少し前に流行った昔懐かしの学園異能的な構図が最高に懐かしくて楽しい。割とクセ者な主人公すらも振り回す「ロクでなし」ヒロインがむちゃくちゃやりながらも、そのカリスマと行動力で周囲の望む「王」としてひた走る姿が眩しかったです。
amazon.co.jp:ロクでなし魔術講師と禁忌教典13
相棒対決とかこんなの好きに決まってるじゃないですか!!
羊太郎「ロクでなし魔術講師と禁忌教典13」
【18下期ラノベ投票/9784040727233】
もうほんとロクアカは折返しに入ってからずっと最高に面白いんですけど今回のはもうあらすじからしてしんだし読んだらますます死ぬしかなかった。手の内を知り尽くした相棒だからこそ出来るギリギリの戦いが最高に熱いし、序盤からこの相棒対決のための布石みたいになってるのが大変にずるかった。こんなに萌えたの久しぶりなのでそういうの好きな全人類読んでほしい(クソデカ言語)
amazon.co.jp:腐男子先生!!!!!2
ちょっぴりラブ増量な「オタク楽しい」ラブコメ!(本年度2回目)
瀧 ことは「腐男子先生!!!!!2」
【18下期ラノベ投票/9784047352940】
2巻が出たのが本当に嬉しかったオタクJKと腐男子な担任教師のラブコメ。オタクネタ周りの尋常じゃない「あるある」感と、Web小説ならではのリアルタイム感と、進級話あたりから少しずつ増量していくラブコメ感が大変に楽しかった。Web版と少しだけ展開の違う物語も楽しかったので、このまま最後まで書籍化されるといいなあ。あと、電書版特典の書き下ろし短編がめちゃくちゃいいので紙の本しか買ってない人はなんとかして読んでほしい。
amazon.co.jp:ファイフステル・サーガ2 再臨の魔王と公国の動乱
主人公2人の邂逅が、最高に燃える。
師走 トオル「ファイフステル・サーガ2 再臨の魔王と公国の動乱」
【18下期ラノベ投票/9784040727004】
こちらも今年のまとめで取り上げたのでほぼ同じことをもう一度書くんですけど、魅力的なキャラクター達が所狭しと駆け巡るのがとても楽しいシリーズ。主人公である傭兵団団長・カレルと裏の主人公的存在である昼行灯を装う王子ヴェッセルとの邂逅が最高に楽しかったしコルネリウス団長は絶対好きな女子いるでしょ…って感じなので気になる人は読んでほしい。
amazon.co.jp:錆喰いビスコ2 血迫!超仙力ケルシンハ
2時間くらいの長編オリジナルアニメーションでみたい。劇場で。
瘤久保慎司「錆喰いビスコ2 血迫!超仙力ケルシンハ」
【18下期ラノベ投票/9784048938327】
去年散々ランキング総嘗めにしてて割と今更感強いんですけど面白かった〜。2人の少年が繰り広げる「愛」と「絆」の冒険譚。最強のふたりをもってしても大苦戦するのにふさわしい強敵と命がけで対峙して、それでも最後はサッパリと爽快感のある終わり方してくるのが楽しかったです。
amazon.co.jp:スレイヤーズ16 アテッサの邂逅
20年経っても色あせない面白さに震えた。
神坂 一「スレイヤーズ16 アテッサの邂逅」
【18下期ラノベ投票/9784040729053】
18年ぶりの本編新刊でさすがにノリや雰囲気が変わっているのでは……とおもいきや、本当に18年前からそのままやってきたようなノリと面白さが凄かった。畳み掛けるようなテンションは相変わらずキレッキレだし、それはそれとして物語で時折顔をだす魔術談義が楽しくて、私が好きだったスレイヤーズだ!!という感じ。良い意味でリアルタイムにアニメや原作を読んでハマった人たちは楽しめるお話だと思うので懐かしい!とおもったら読んでみてほしいです。